事例ご紹介

株式会社みのる製作所様

マシニングや旋盤、研磨など精密機械の各種加工を手掛ける株式会社みのる製作所。松口正人社長の3人のご子息が相次ぎ入社し、会社のさらなる発展を目指します。3兄弟がそれぞれの役割を担うなか、長男・健一専務が事業を引き継ぐことになり、当センター共催の「後継者塾」に参加されました。

 

-ご長男が事業を継がれることになった経緯を教えてください。

(松口正人社長、以下社長)

先代の社長である私の父が創業し、研磨加工を専業に、堅実な経営を続けてきました。私は機械加工もできるようにして、自前で自社製品がつくれる会社にしたかったので、8年前、息子たちの入社を機に工場を増設し、設備投資をしました。3人の息子はすごく仲が良く、やはり長男がリーダーシップをとるのが一番しっくりくると思っていました。

また、移り変わりの早い時代、機械をそろえて加工技術を磨き、他社にはできない品物をつくる、それだけでは生き残りは難しい。30代の長男にはM&Aで技術を手に入れ、事業を拡大する発想、フットワークの軽さがある。資金調達でも、古い社長に信用があるにせよ、返済をあてにされるのは後継者。だったら、早い段階で前に出てもらう方がいいと判断しました。長男は経営についての様々な知識を意欲的に学んでいるので、交代の時期については本人に任せています。

 

-会社を引き継ぐ思いをお聞かせください。

(松口健一専務、以下専務)

弊社に入社する前は、関東で水道関係の仕事をしていたのですが、東日本大震災の際に社長から「会社を大きくしたい。帰ってくるか」と声を掛けていただきました。兄弟も揃い、楽しく仕事ができそうだという程度の思いでしたので、社長の描く青写真どころか、機械加工のことも詳しく知らず、一から勉強しました。兄弟はというと、次男はすでにこの業界で経験を積んで営業を任され、三男は機械加工の技術面で突出した仕事を担っています。弟たちは長男である私が社長の後を継ぐものと思っているようで、また私自身、対外的な仕事の方が向いており、数字を追いかける経営に携わることで、会社がスムーズに回ると感じ、社長の後を引き受けようと、次第に自覚するようになりました。

 

―「後継者塾」に参加しようと思った理由と感想を教えてください。

(専務)

機械加工を始め、新しい仕事、従業員が増えると、会社を経営していくうえで、知らなくてはいけないことが、いかに多いか思い知らされました。引き継ぐために必要な知識を身に付けようと申し込みました。もっとも良かったと思うことは、5年後、10年後にどうなりたいのか、具体的な数字と文字で計画を立て、それに基づき、1年ごとの計画、直近の目標を数値化し、文字にすることが、いかに重要であるかを教わったことです。これまでは取り組みが大ざっぱで、目標に向けてリーダーシップを発揮することが出来ていなかったと気付きました。また、加工業界では後継ぎ不足が目につくのですが、「後継者塾」には業種や規模が異なる会社の2代目、3代目がたくさん参加しており、交流を通じて様々な意見を交わし、意欲的な思いを語り合うことで、私も会社を大きくしたいと刺激を受けました。

 

―今後の計画について教えてください。

(専務)

「後継者塾」に参加する前は、2~3年後に引き継ぐイメージだったのですが、受講をきっかけに具体的なスケジュールも見えつつあり、今は年内か来年初頭にもと考えています。10年後には社長が70代で私が40代。交代を早めれば、社長には会長にとどまっていただき、2人で相談しながら10年ぐらいはやっていける。家族経営の基本的なところは変わらないので、弟たちとも話し合いながら、今の良い流れで引き継ぐことができるでしょう。対外的にも、経営的にも、できるだけ早めた方が良いと思っています。

それまでに、5年後、10年後に会社をどうしたいか、私なりの提案書をつくります。社長、弟たちとすり合わせて仕上げ、経営者としての一歩を踏み出したい。ただ単に数字を追いかけるのではなく、父が研磨加工で築いた信頼を礎に、うちでしかできない技術、製品を生かして、みんなのアイデアを形にして目標に据える、というのが私の考え方です。父である社長、仲のいい弟たちに支えられての事業継承。私にとって一番の強みは家族だと思います。

 

―事業承継で悩んでいる後継者にアドバイスがありますか

(専務)

加工業界では、1からのスタートは設備投資の面などで難しい。しかし2代目、3代目には会社を守る、先代の思いを継ぐなど、事業継承ならではの大変さがあります。そのプレッシャーを面白がれるようになることが一番だと思います。うまくいかず、衝突して、柔軟さが求められるようなことになっても、それは自分の成長につながる―「後継者塾」への参加は、そういった会社を経営していくことの面白さに気付く良い機会になりました。例えば「大きくしたいなら、経営者は外に出ていけ」というアドバイス。視野が広がる思いをしました。順調に引き継ぎが進む会社だけではなく、むしろ後継指名に戸惑い、悩んでいる2代目、3代目に参加をおすすめしたいです。

 

<株式会社みのる製作所>

営業内容:各種精密機械加工

所在地:神戸市西区高塚台3-2-32

HP;https://www.minoruss-co.jp

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